●製作年:1754年(A)●素材:ソフトペースト(軟質磁器)●サイズ(Pot à lait)W(持ち手の端から口の先):12.5cmH:12cm装飾: AUBERT l’aîné→1754年-1758年まで花絵付師として在籍参考価格:¥880,000今会期は、再びセーブル、そしてヴァンセンヌをいくつかお出しして締めくくります。鑑賞・たまに使う~普段使いしやすいものもあります。揃えてテーブルウェアとしてお使いすれば、18世紀当時の雰囲気が見事に蘇ります。おまとめのお値引きも対応しますので、是非楽しんでご覧ください。フランス磁器の草分けであるヴァンセンヌが、マイセンのコピーで模索していた時代は、1750年代初めについに終わりを迎えます。ポンパドール夫人の意向により自身のヴェルビュー城近くのヴァンセンヌに拠点を構え、セーブルの前身がスタートします。これには夫人が意のままに意見を反映させられるようにする為とも言われていました。現在も出品中でもあるブルーラインシリーズですが、今回の作品は元祖であるヴァンセンヌ時代の作品です。王侯らが日常的に用いることもでき、芸術作品としても楽しめるとして重宝されていたようです。このピッチャーはありとあらゆる箇所に技巧が張り巡らされています。リボンを纏った持ち手の装飾、ヴァンセンヌを代表する描画の花絵、口元の内側には金彩装飾、そして足元には花や葉を這わせていますが、別に製作して貼り付ける手法です。立体感のある装飾で足の部分や持ち手の裏などご覧になってください…成長していく生命力を見事に表現しています。一部葉は失われている部分こそあれど、大部分が残っており、金彩の擦れ、ワレやカケ(焼成の未発達により釉薬が裂けている部分があります)、修復などはなく、ヴァンセンヌ時代のここまで精巧な作品を手に入れることはなかなかできません。ピッチャー愛好家やセーブルの収集家には自信を持ってお勧めできる逸品です。巷に溢れている謎の「オールドセーブル!」「ヴァンセンヌ期の名品!」等と言うモノたちをスッキリと一蹴してくれる逸品です。ここまで良い状態で残っていることは凄いと思いますが、美術館所蔵や歴史的作品ですら修復&破損した状態の物は多いです。是非、コレクションにご検討ください。