オンライン ショルティ R.シュトラウス・オペラ・レコーディング15CD

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商品説明R.シュトラウス・オペラ・ボックス(15CD)
ショルティ&ウィーン・フィル、ほか
『サロメ』『エレクトラ』『ばらの騎士』
『ナクソス島のアリアドネ』『影のない女』『アラベラ』

ショルティ生誕100年を記念した特別企画。ショルティがデッカに残したリヒャルト・シュトラウス・オペラのセッション録音による全曲音源と、若き日の『エレクトラ』抜粋などが聴けるボーナス・ディスクを収めたお買得なボックスセットです。
 トラック・リストと欧文あらすじ、レアな写真を掲載した120ページのブックレットのほか、独語歌詞、英訳、欧文解説等を収めたCD-ROMが付属します。

【ショルティのシュトラウス】
第二次大戦後、バイエルン国立歌劇場で活躍していた若き日のショルティは、最晩年のリヒャルト・シュトラウスと会って、いろいろと教えを受けたりしていましたが、その縁あってか、ショルティは早くからシュトラウス作品に熱心に取り組み、デッカと契約して間もない1952年にはすでにクリステル・ゴルツほかと『エレクトラ』の抜粋をレコーディングしていました(ボーナスCDに収録)。以後、主要なオペラのほか、オーケストラ曲や歌曲にもレパートリーを拡大、生涯かけてシュトラウス作品に自信に満ちた演奏を聴かせています。
 レコーディングにも精力的だったショルティは、シュトラウス作品でも数多くの優れたアルバムを制作。中でもオペラは、豪華な歌手陣を得たこともあってすべてが傑作といえる仕上がりで、特にニルソンと共演した『エレクトラ』と『サロメ』ではこれ以上考えられないほど強烈な歌唱と対峙するウィーン・フィルのサウンドが実に刺激的な魅力を持つものとなっています。一方で、70代後半に録音した『影のない女』では、作品情報を隅々まで音化する完全主義のスタイルにより、重厚でありながらも細部が精緻に磨きあげられた演奏が実現されているのが印象的でした。

【収録情報】
楽劇『アラベラ』全曲
VPO、デラ・カーザ、ギューデン、ロンドン、他

ステレオ最初期、1957年のセッション録音。往年のウィーン・スタイルを伝えるデラ・カーザとギューデンによる没落貴族の姉妹役と、ロンドン演じる野趣あふれるハンガリーの大地主役を軸に、個性的で濃厚な音色のウィーン・フィルが美しくも滑稽な味わいを醸し出す絶妙な演奏。

・『アラベラ』全曲
 リーザ・デラ・カーザ(ソプラノ:アラベラ)
 ヒルデ・ギューデン(ソプラノ:ズデンカ)
 ジョージ・ロンドン(バリトン:マンドリーカ)
 オットー・エーデルマン(バス:ヴァルトナー伯爵)
 イーラ・マラニウク(アルト:アデライーデ)
 アントン・デルモータ(テノール:マッテオ)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1957年
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
楽劇『ナクソス島のアリアドネ』全曲
LPO、プライス、トロヤノス、グルベローヴァ、コロ、他

オペラ制作過程のドタバタと、出来上がったオペラを劇中劇で再現するという二重構造を持つユニークな作品。「小編成オーケストラの伴奏と、大人数のキャストによる劇中劇を含むオペラ」という特殊な条件のこの作品には、リズムにも歌い回しにも正確なアプローチが欠。ショルティの指揮はそうした条件を高次に満たすもので、役柄に見合った豪華歌手陣のキャスティングを活かす効果も十分。
 複雑な感情表現が求められる作曲家役には、この役のエキスパートでもあったタティアナ・トロヤノス、超絶技巧のツェルビネッタ役には同じくエキスパートのエディタ・グルベローヴァ、少々大時代なプリマドンナ役にはレオンティーン・プライス、バッカス役にルネ・コロと、それぞれの役にふさわしいキャラクターの歌手が選ばれています。

・『ナクソス島のアリアドネ』全曲
 レオンティーン・プライス(ソプラノ:アリアドネ)
 タティアナ・トロヤノス(メゾ・ソプラノ:作曲家)
 エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ:ツェルビネッタ)
 ルネ・コロ(テノール:バッカス)
 ヴァルター・ベリー(バリトン:音楽教師)
 ペーター・ヴェーバー(テノール:士官)、他
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1977年
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
楽劇『エレクトラ』全曲
VPO、ニルソン、レズニック、クラウセ、他

まだまだパワフルだったニルソンと、エネルギッシュだったショルティ、そしてウィーン・フィルの表現力が結びついた希有な名演。不幸な身の上ゆえに尋常ではない存在となったエレクトラ役を人間離れした声で鋭利に歌い上げるニルソンの歌唱は圧巻で、これにショルティに煽られたウィーン・フィルの強烈なサウンドが同調することで、ほとんど凄惨な儀式のような凄みを放つ演奏に仕上がっています。

・『エレクトラ』全曲
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ:エレクトラ)
 レジーナ・レズニック(メゾ・ソプラノ:クリテムネストラ)
 マリー・コリアー(ソプラノ:クリソテミス)
 ゲルハルト・シュトルツェ(テノール:エギスト)
 トム・クラウセ(バリトン:オレスト)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1966~1967年
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
楽劇『影のない女』全曲
VPO、ベーレンス、ヴァラディ、ドミンゴ、ルンケル、他

『バラの騎士』が『フィガロの結婚』に範をとったと言われるのと同じく、『影のない女』は、モーツァルトの『魔笛』から多大な影響を受けたとされています。
 それはたとえば『魔笛』のように現実離れしたメルヘンの世界を題材としていることや、「象徴」の手法が多用されている点にもみてとれますが、このオペラは、ホーフマンスタールの台本がたいへんな力作ということもあって(彼は1915年に完成された台本版のほか、4年後には小説版まで書きあげ、作品への深い愛着を示しています)、より複雑で繊細な味わいに富みながらも、全体のスケールはきわめて大きなものとなっているのが特徴。
 作曲時期は1914年から1917年、第一次世界大戦中ということもあってか、この作品に集中的に取り組むことが出来たようで、ホーフマンスタールとの数多い書簡のやりとりからもそのことはよく伝わってきます。
 数多い登場人物の描き分けの巧みさ、オーケストレーションのみごとさもまさにシュトラウスの絶頂期を示すものと言え、その作曲技法の熟達ぶりは、ホーフマンスタールとの一連の共同作業から生まれた傑作群(『エレクトラ』『バラの騎士』『ナクソス島のアリアドネ』『影のない女』『エジプトのヘレナ』『アラベラ』の6作品)の中にあっても最高クラスの水準を示しています。
 舞台設定は、架空の時代の東方のある国、というもので、体裁はまさにおとぎ話。カルロ・ゴッツィの諸作やゲーテのほか、世界各地の民話や伝説、『千夜一夜物語』などに取材しています。
 台本作者のホーフマンスタール自身が述べているように、モーツァルトの『魔笛』を意識して書かれたため、ウィーンの民衆劇が定型としていた「皇帝&皇后」のペアに対し、コメディア・デラルテのペアが置かれる予定でしたが、実際にはそれはアラビアの影響を感じさせるキャラクターでもある「染物師バラク夫妻」に変更され、猥雑さや滑稽さよりも家族愛・人類愛の表現にシフトしたものとなっています。もちろん、本来のコメディア・デラルテのペアが持っていた騒々しさが無くなったわけではなく、その役割はここでは、バラクの兄弟たちによって実現されているのです。
 このオペラの数多い登場人物中で、唯一名前があるのがこのバラクというのも何やら象徴的ですが(カイコバートは実際には登場しませんので)、これに女性版メフィストフェレスともいうべき魔法使いの「乳母」が絡んで、女性版ファウストのような「皇后」と「バラクの妻」の価値観の変質を描いてゆきます。
 ショルティ指揮する大編成のウィーン・フィルは、作品の膨大な情報を完璧に再現、オーケストラだけの部分では、まるで後期ロマン派の交響作品のような雄弁な音響世界を展開しています。
 キャストも豪華で、ベーレンスとダムの染め物師夫妻に、ヴァラディとドミンゴの皇帝と皇后、乳母役のルンケルなど、正確な歌唱をおこなえる歌手陣により、手の込んだ作品が緻密に仕上げられた重量感のある味わい、シャープな描写が実に魅力的です。

・『影のない女』全曲
 ユリア・ヴァラディ(ソプラノ:皇后)
 ヒルデガルト・ベーレンス(ソプラノ:染物師の妻)
 ラインヒルト・ルンケル(メゾ・ソプラノ:乳母)
 プラシド・ドミンゴ(テノール:皇帝)
 アルベルト・ドーメン(バリトン:霊界の使者)
 ヨセ・ヴァン・ダム(バリトン:バラク)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン少年合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1989年、1991年
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
楽劇『ばらの騎士』全曲
VPO、クレスパン、ミントン、ドナート、他

作曲者から直接教えを受けたショルティの『ばらの騎士』は、どこまでも律儀に正確に楽譜に向き合いながらも、歌手の個性はきちんと引き出しているというグレードの高い演奏です。主役のクレスパンはインタビューで下ネタ発言するなど自由な人ですが、ここではそうした艶やかさが役作りにも迫真の説得力を与えており、少々屈折した世界と見れなくもない作品の人工的性格に、ある種の真実味を与える説得力も持ち合わせています。ミントンのオクタヴィアン、ドナートのゾフィーのクセの無さがそうしたクレスパン効果をより引き立てることにもつながっており、さらにゼンガー役のパヴァロッティの豪華な歌声というどこか絵空事的な雰囲気も手伝って、独特の味わいを醸し出すこととなった見事な演奏です。

・『ばらの騎士』全曲
 レジーヌ・クレスパン(ソプラノ:元帥夫人)
 イヴォンヌ・ミントン(ソプラノ:オクタヴィアン)
 ヘレン・ドナート(メゾ・ソプラノ:ゾフィー)
 マンフレート・ユングヴィルト(バス:オックス男爵)
 オットー・ヴィーナー(バス:ファニナル)
 ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール:歌手)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1968年
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
・『サロメ』全曲
 ビルギット・ニルソン(ソプラノ:サロメ)
 エーベルハルト・ヴェヒター(バリトン:ヨカナーン)
 ゲルハルト・シュトルツェ(テノール:ヘロデ)
 グレース・ホフマン(メゾ・ソプラノ:ヘロディアス)
 ヴァルデマール・クメント(テノール:ナラボート)、他
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1961年
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
【ボーナス・ディスク】
・『エレクトラ』名場面集
 クリステル・ゴルツ(ソプラノ:エレクトラ)
 エリーザベト・ヘンゲン(アルト: クリテムネストラ)
 フェルディナント・フランツ(バリトン:オレスト)
 バイエルン国立管弦楽団
 録音時期:1952年
 録音方式:モノラル(セッション)

・4つの最後の歌
 キリ・テ・カナワ(ソプラノ)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1990年
 録音方式:ステレオ(デジタル)

・『ダフネ』~『来ましたよ』
 ルネ・フレミング(ソプラノ)
 ロンドン交響楽団
 録音時期:1996年
 録音方式:ステレオ(デジタル)

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